農に生きる

農業が自分のすべて

田中 啓介さん 2019年02月20日掲載

 取材のため作業場を訪れると、啓介さんは、ご両親、奥さんと今日収穫されたイチゴのパック詰めをされていました。1100坪の施設でイチゴの栽培をしており、主な品種としては「紅ほっぺ」、大玉で収穫が多いのが特徴だそうです。
 啓介さんは20歳の時、農業大学を卒業して就農しました。「後を継ごうとか、難しいことを考えていたわけではないけど、自然な流れで入った感じ」と笑いながら話してくれました。最初は、お父さんたちの下で働いているという感覚だったのが、栽培や経営を任されるようになると意識が変わったそうで、「農業という仕事は、全部自分に返ってくる。休もうと思えば休める。でもすぐに結果として作物に表れる。逆に頑張ったら、頑張っただけの結果が表れる。全て自己責任。やっぱり良い評価をされた時が嬉しいから、農業をやってて良かったと思えるよね」と啓介さんは言いました。
 栽培についてのポイントを尋ねると、「苗」だと答えてくれました。イチゴの栽培は、種や苗を買うことがメインではなく、親株から子株を伸ばし、苗として育てるそうです。そしてその苗の出来が定植後の栽培、出荷に至るまで影響するため、しっかりとした苗を作ることが、全体の8割位を占めると啓介さんは教えてくれました。そのため、冬場には苗を休眠させたり、夏場にも管理を怠らないなど、一年中気が抜けないそうです。
 現在、渥美苺出荷連合の代表を務める啓介さんですが、これからの部会について、「部会員が少ないのは、さみしい感じもあるけど、出荷の際は部会員全員で荷造りを手伝うから、情報共有が早いのは利点だね。生産者の高齢化や、作業の効率を考えてパッキングセンターの利用も始めたし、時代に合わせて色々変えていくことが大事」と冷静に現状を見据えながら最善の方法を模索していました。
 これからのことも考え、家の施設の自動化、機械化を進めていきたいと想いを口にしてくれた啓介さん。「現実的なことも含めて、自分にとって『農業がすべて』。どうなるかは分からないけど、ずっと続けていきたい」と力強く語ってくれました。

◎渥美苺出荷連合◎
 部会員数 15人
 栽培品種 紅ほっぺ、かおり野、ゆめのか
 出荷計画 680,000パック(1パック270g)

今の季節、スーパーなどの店頭によく並んでいる果物がイチゴです。おいしいだけでなく、美容効果や健康にも良い食べ物と言われています。特に「紅ほっぺ」は果皮や果肉が美しい紅色をし、サイズが大きいのも特徴です。甘味と酸味のバランスが取れた、イチゴ本来の味わいを堪能できる品種だと思います。

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